コロナ前とコロナ後 | 安田貴広のDARADAWRITE

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ロックバンドAo(アオ)のVo.ヤスダが日々思ったことを書くかもしれないし、全く書かないかもしれない。

キリンの首がなぜ長いのか、皆さんは知っていますか?
私は知りません。
ですが、「進化って何?」と聞かれると、なんとなくの答えはある程度共通していると思います。
たまたまの突然変異により、形態、生態、行動などの性質が、その生物をとりかこむ環境の元で生活してゆくのに都合よく変化し、それゆえにその変異を得た遺伝子が繁栄し、それ以外の個体が淘汰されることによって、結果的にその生物の特徴が変化することが〝進化〟だと考えている人は多いのではないでしょうか。
ダーウィンの進化論を薄っぺらく知っている程度の私は、少なくともそう考えています。
「カメに甲羅があるのはなぜ?」
「フクロウが鳥のくせに夜でも目が見えるのはなぜ?」
と考えると、彼らはこうした〝自然選択〟によって今の姿になったのだと考えるのが自然なように思えるからです。

しかし、私は昔、パラサイト・イヴという小説を読んで、それ以外の理由による進化が存在する事を初めて知りました。
ものすごくざっくり説明すると、酸素をエネルギーに変換するミトコンドリアは元々は別の生物であり、それが人間の遺伝子の中に吸収され、現在の人間の形になった。というような内容に基づいた作品でした。
他にも、外界から他生物の一部として組み込まれた独自の遺伝子構造を持つ器官を、オルガネラと呼ぶそうです。

そして、ウィルスもまたこのオルガネラであると主張する説もあるそうです。
レトロウィルスの逆転写酵素が発見されたことからも、この主張が生まれるのは必然的であるように思います。
ウイルスの遺伝子が宿主に取り込まれてその種族が進化するというこの、ウィルス進化論の見地からすると、今回のコロナウィルスと人類の戦いは何を意味するのでしょうか。

私は個人的には、人間の遺伝子レベルでの進化はもうある程度頭打ちの状態ではないかと考えています。
正確に言うと、人間の、人間による自己進化、もしくは自己淘汰が遺伝子レベルの進化のスピードを遥かに上回るのではないかと考えています。
サイボーグ技術やゲノム研究、そしてAIの発達がその一端です。
進化は遺伝子構造の変化のみによって促されるものではない、とするこの考えの上でコロナウィルスが人類に何をもたらすのかを考えると、急速に発展しているテクノロジーについていけるだけの価値観、カルチャー、イデオロギーといった分野における進化が考えられます。

大袈裟ではなく、コロナウィルス以前の人類には、もう戻れないのかもしれません。
人との直の触れ合いや繋がりがなによりも大切だという一般的な価値観を、コロナウィルスは全否定してきます。
究極的には、人と触れ合うことが皆無である無職引きこもりの人が、今一番コロナウィルスの脅威を感じなくて済む状態になっています。
テレワークがこんなに早く普及するというのも想定外でした。
欧米の、ハグやキスの文化も今後見直されるかもしれません。
私の個人的な印象ですが、Skype等を使用したテレビ会議はとても合理的な割に、特に年配の方にとってはどこか「サボっている」、「手を抜いている」、「愛(誠実さ)が無い」というような印象を持たれる事が多く、実は特に大きな必要性が無いにも関わらず、東京本社や取引先に行き、あるいは全社員が一箇所集い、会議や集会が開かれていたように感じてしまいます。
コロナウィルス以降は、少なくともこの価値観と慣習は大きく変わると思っています。

また、奇しくもこのタイミングで通信は5Gの時代に変わっていきます。
技術的なところが大きく進化しているのに、肝心の人間が何も変わらないという方が不自然であると、私は思います。

あくまでもこれは一例に過ぎず、私が考えもしない変化(進化)が、あらゆるところで起きている最中なのではないでしょうか。

そんなことを考えながら、バカ殿のDVDをオンラインでレンタルできないか調べています。