SAMURAI crosses the black river. | 安田貴広のDARADAWRITE

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ロックバンドAo(アオ)のVo.ヤスダが日々思ったことを書くかもしれないし、全く書かないかもしれない。

人生初の裏切られ経験

皆さんこんにちは。
これを読んでいる皆さんは、人を裏切ったことがありますか?裏切られたことは?
おそらく、裏切られた方はいつまでも覚えていることでも、裏切った方にとっては思い出せないような、そんなエピソードがきっと私達の生活の中には沢山潜んでいるのだと思う。

中学生の時、Kという友人がいた。彼は新しく転校してきた女の子と付き合っており、その子と毎日一緒に帰っていた。彼がいわゆるヤンキーという人種であったIやMにいじめられだしたのはそのことと無関係ではなかったと、私は記憶している。
修学旅行の班決めで私はKと同じ班になった。IやMからターゲットにされていることで他の同級生から多少なりとも敬遠されていたKに、私はかなり同情していた。
夜、みんなで談笑していると、IやM、その他大勢の輩達が部屋に乱入してきた。そしてKを袋叩きにし始める。
その頃はこういったことが日常的に行われていた。私ははできるだけ庇っていたが、それがまさに目の前で起きているその時は、体を張って止めるしかなかった。
そのときMは恐ろしい事を口にした。
「これ以上庇うとお前もやっちまうからな。」
彼らが部屋から出て行ったあと、窓の外から何やら話し声が聞こえてきた。
「あいつまじでむかつくなー。やっちまおうや。」
MとIの話し声だった。
私の部屋のちょうど両隣が、先ほどの襲撃者達それぞれの部屋だったのだ。
これが私の記憶に残っている、修学旅行の唯一の思い出である。

それからの私は、トイレに行くのも苦労する生活を送らなければならなかった。
男にとって、トイレで用を足している時ほど無防備な時は無いのだ。
私は学校を休みがちになったし、授業中に祈りながらトイレに行くような生活を強いられた。

結果的に私が袋叩きに遭うようなことは起きなかったのだが、そのあと私は人生で初めての裏切りに遭った。
事の始まりは、KがIやM達と和解したことであった。
私もなんとなく和解したような雰囲気になっていたので、丸く収まってよかったなと安直に考えていたのだが事実は違っていた。
Kが、なんとか私をいじめの標的にするために、IやMに私の悪口を有る事無い事吹聴しているという話を、私はIから聞かされたのだ。
私の行為は、悲しみは、恐怖は一体なんだったのだろう。

数年前、何もなかったかのようにFacebookで話しかけてきたK。
久しぶりに私に会いたいなどと抜かしているらしいM。
俺に謝罪しないことを恥ずかしく思わないのなら、そのまま生きればいいと思います。
過ぎ去ったいい思い出になんか、なってませんからね。

君達がいたから俺は、音楽家として成功できたわ。
ありがとうね。
まじで、ありがとう。